トランスジェンダーであることを理由に、諦めざるをえなかったキャリア

 

高校生のときから12年間、ファミリーレストランで働いていました。接客が好きだし、お店のメンバーも大好きだったから、「ここでトップになって、良いお店や良い会社づくりに貢献したい」と思っていたんです。

僕は元女性のトランスジェンダーで、現在は戸籍を男性に変えています。ファミリーレストランで働いていたときに、ちょうど男性ホルモンを入れて声が低くなったり見た目にも変化が出てきたりといった、移行期間がありました、そのため、制服や更衣室や健康診断などへの対応について、会社に相談したんです。すると、会社の返答は「戸籍が変わっていない今の状況では、会社として対応できない」というものでした。また、正社員登用制度を受けようとした際にも「戸籍を変えるまでは、試験に受かったとしても正社員登用はできない」と言われたんです。

なぜかと聞くと、その理由は「何かあったらいけないから」というものでした。何かってなんなのだろう。寝坊や遅刻をしたことも、会社に迷惑を掛けたこともないのになんでだろうと悔しくなりました。なぜLGBTQ+を理由にこんな扱いをされなければならないのかが不思議で、こうした対応を取る会社への疑問も生まれました。

 

多様な人が働きやすい組織づくりに貢献するため、アカルクでインターンを経験

 

僕みたいに、仕事が好きで職場が好きで企業に貢献したいと思っている人が、自分の身体のことや個性を原因にされて入社や昇進を阻まれるのは悲しいし、間違っている。この状況を変えていきたい。そんな思いで会社に何度も掛け合いましたがうまくいかなかったたため、さまざまな人の個性を生かしたキャリアアップを支援できる人材紹介の仕事に移りました。2年ほど営業経験を積んで、「多様な人が働きやすい会社づくりや組織づくりに、よりダイレクトに関わっていきたい」と考えていたときに、浮かんだのがアカルクの代表である堀川さんの顔でした。

実は、堀川さんがミライロで働かれていたときに、僕の前職のファミリーレストランに研修に来てくれて。「この人めちゃめちゃすごい!なんて、いい話をしてくれるんだ!」と感動して、堀川さんの活動を追い掛けていたんです。堀川さんがアカルクという会社を新たに立ち上げられること、事業内容がまさに僕がやりたいこととピッタリ合うことを知って、「ぜひ、堀川さんと一緒に何かをやりたい!」とインターンシップにエントリーしました。

 

メンバー同士、手を差し伸べ合う温かい組織文化がある

 

別の仕事との掛け持ちをしながらであったため、インターン期間は3カ月間のみでしたが、講演に同行したり、リモート商談に同席したりとさまざまな機会をいただきました。近くで観察できた堀川さんの仕事への取り組み方は、真似したいことばかりで、とても良い経験ができたと感じています。

中でも感動したのが、アカルクの組織文化です。組織の中で何かひとつ問題が起こったら、「サポートしますよ」「手伝えることないですか?」などと、みんながすぐに手を差し伸べ合っていたんです。こうしたサポートし合う文化が根付いているのは、リーダーである歩さんが常にそういった姿勢でメンバーに接しているからだと思います。熱くて真っすぐな堀川さんが率いる、温かいチームだなあと感じました。

「LGBTQ+をはじめとする目には見えない、働きづらさを感じている人が『明るく、楽しく、自分らしく働ける』ための応援をする」という思いのもと、アカルクが今取り組んでいることやこれから挑戦しようとしていることは、あらゆる企業や社会から求められていることなので、今後事業はもっと発展していくと思います。

そんな急成長組織で働くことは、特に起業を目指している方にとってはとても貴重な経験になるはずです。実際、もともと起業志望だった僕も、昨年トランスジェンダーのアテンド事業を立ち上げるこができましたし、アカルクのインターン経験で学んだ組織のつくり方を今後自社の組織づくりに生かしていきたいと思っています。