PRIDE月間や人権週間など、国際的な啓発月間(週間)・記念日を把握しておくことは大切です。企業が自社のDEIの取り組みや人権に対する姿勢を見直すうえで、重要な節目となるからです。

また、Tokyo Prideをはじめとしたイベントへの参加を通じて、自社の人権意識や価値観を社外へ示す企業も少なくありません。

そこで本記事では、2026年度に特に注目したいLGBTQ+および人権関連のイベント・国際デーを一挙紹介。

なかでも、企業のDEI施策や社内制度の見直しと結び付けやすいイベント・国際デーを中心にまとめています。年間計画を立てる際の参考として、ぜひ活用してください。

2026年3月|女性・ジェンダー・多様性に関する国際デー

  • 3月8日(日):国際女性デー
  • 3月21日(土):国際人種差別撤廃デー
  • 3月31日(火):国際トランスジェンダー認知の日

国際女性デー(3月8日)

国際女性デー/International Women’s Day

国際女性デー/International Women’s Dayは、女性の権利向上を目的とした国際デーです。1975年に国連で提唱され、1977年に議決されました。

はじまりは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて。長時間労働や低賃金といった厳しい状況下にあった女性労働者たちが、労働条件改善や参政権を求めて声を上げたのが起源です。

日本でも、国際女性デーに絡めたイベントやプロジェクトを開催する企業・団体は珍しくありません。期間中は、講演会やマルシェ、展覧会などが各地で開かれます。

国際人種差別撤廃デー(3月21日)

国際人種差別撤廃デー/International Day for the Elimination of Racial Discriminationは、人種差別の撤廃を呼びかけるための国際デーです。

すべての人の尊厳を守り、平等な社会を作るために制定されました。

日本でも、アイヌ民族や在日外国人などのマイノリティ当事者と専門家が情報交換する場を設けるなど、各地でイベントが開催されています。

国際トランスジェンダー認知の日(3月31日)

国際トランスジェンダー認知(可視化)の日/International Transgender Day of Visibilityは、トランスジェンダーの人々の存在を祝うとともに、当事者が受けている差別の現状を知るための日です。

2026年4月|神経多様性・性のあり方の可視化に関する国際デー

  • 4月2日(木):世界自閉症啓発デー
  • 4月6日(月):国際アセクシュアルの日
  • 4月26日(日):レズビアン可視化の日

世界自閉症啓発デー(4月2日)

世界自閉症啓発デー/World Autism Awareness Dayは、自閉症への理解を深めるための日。

青色をシンボルカラーとし、日本でも東京タワーを青色にライトアップするといった取り組みが行われています。

国際アセクシュアルの日(4月6日)

国際アセクシュアルの日/International Asexuality Dayは、アセクシュアル(無性愛)の人々の存在と多様性を世間に広めるための日。

表明・祝福・教育・団結の4つを主なテーマとして掲げています。

レズビアン可視化の日(4月26日)

レズビアン可視化の日/Lesbian Visibility Dayは、レズビアン(同性愛女性)当事者の存在を祝福し、世の中に広める(=可視化する)ための日。

テレビやメディアで映し出されるレズビアンのステレオタイプ的なイメージを払拭し、誤解や偏見の解消を目指しています。

2026年5月|LGBTQ差別への明確なスタンス表明

  • 5月17日(日):LGBT嫌悪に反対する国際デー(多様な性にYESの日)

LGBT嫌悪に反対する国際デー(多様な性にYESの日)(5月17日)

LGBT嫌悪に反対する国際デー(多様な性にYESの日)/International Day Against Homophobia, Transphobia and Biphobia

LGBT嫌悪に反対する国際デー(多様な性にYESの日)/International Day Against Homophobia, Transphobia and Biphobiaとは、性的指向・性自認を理由とした差別や暴力に反対する国際デー。

祝いのための日ではなく、差別がまだ存在していることを世間に分かってもらうことを目的としています。

日本では、公共施設・名所でのレインボーライトアップや学校・大学での人権授業、企業のDEI(多様性)キャンペーンなど、制度や姿勢の表明をする企業・団体が多いです。

2026年6月|PRIDE月間とLGBTQの可視化イベント

  • 6月中:PRIDE月間
  • 6月6日(上旬~中旬):東京レインボープライド(Tokyo Pride)2026

PRIDE月間(6月中)

PRIDE月間/Pride Month

PRIDE月間/Pride Monthは、LGBTQ+の歴史と文化を祝う期間。例年6月になると世界中の自治体・企業・NPO・学校などが、以下のような取り組みをします。

  • シンボルカラーのレインボーフラッグ掲出
  • 講演・映画上映・ワークショップ
  • SNSでの理解促進キャンペーン

東京レインボープライド(Tokyo Pride)2026(上旬~中旬)

Tokyo Prideは、例年PRIDE月間中(6月上旬〜中旬)に開催される大規模なイベントです。2026年も、6月上旬から中旬にかけての開催が見込まれています。

ただのお祭りではなく、以下のような意味合いが込められています。

  • 祝福と可視化:多様性を祝う文化を社会に見える形で示す
  • 声を社会へ届ける:LGBTQ+当事者や支援者のメッセージ・生活実感を社会へ伝える
  • 世界とつながる:世界のプライド月間と同じ時期に開催することで、日本の動きとしても国際潮流の一部になる

屋外イベント「Pride Festival」や都内を行進する「Pride Parade」は、毎年大きな注目を集めています。

東京レインボープライドについて詳しく知る

※Pride Festivalは6月6日(土)と7日(日)、Pride Paradeは6月7日(日)の開催

2026年7月|制度対応 × ジェンダー多様性

  • 7月開始:障害者法定雇用率が2.7%へ引き上げ
  • 7月14日(火):国際ノンバイナリーデー

障害者法定雇用率が2.7%へ引き上げ

国際デーやイベントではありませんが、日本では2026年7月、民間企業における障害者法定雇用率が2.7へ引き上げとなることが決まっています。

現行の法定雇用率2.5%では、常用雇用労働者40人以上の企業が対象でした。それが、2.7%への引き上げにより、常用雇用労働者おおむね38人以上の企業が新たに対象となります。

ただ採用数を増やすのではなく、定着支援や職場環境の改善など、長く働き続けられる環境づくりがより一層重視されます。

国際ノンバイナリーデー(7月14日)

国際ノンバイナリーデー/ International Non-Binary People’s Dayは、非二元性別(ノンバイナリー)と呼ばれる、「人を『男性/女性』という2択だけで捉えない性自認をもつ人々」の存在や権利、経験について 理解を深める日です。

2026年9月|セクシュアリティの多様性と可視化

  • 9月23日(水):国際バイセクシュアルの日

国際バイセクシュアルの日(9月23日)

国際バイセクシュアルの日/International Bisexuality Dayとは、バイセクシュアル(両性愛)に対する理解を深め、可視化するための日。バイセクシュアルの歴史や文化を祝う・知る・認識を高める機会として位置づけられています。

バイセクシュアルの人たちは、異性愛者から理解されにくく、さらにゲイ/レズビアンコミュニティの中でも存在が取りこぼされがちです。

この日は、バイセクシュアル当事者の体験談がSNS上などでシェアされやすくなります。これまで見えにくかった声や、社会に根強く残る誤解・偏見が可視化される機会となっています。

2026年10月|見えにくい多様性と人権を考える啓発月間

  • 10月中:世界多様性認識月間
  • 10月8日(木):国際レズビアンデー
  • 10月11日(日):国際ガールズ・デー、国際カミングアウト・デー
  • 10月23日(金)〜29日(木):アセクシュアル啓発週間/ACE WEEK
  • 10月26日(月):インターセックス啓発デー

世界多様性認識月間(10月中)

世界多様性認識月間/World Diversity Awareness Monthは、多様性(ダイバーシティ)について「知る・認識する」ことを目的とした月間です。

  • LGBTQ+(性的指向・性自認)
  • 障害(身体・精神・発達)
  • 人種・民族・国籍
  • 性別・ジェンダー
  • 年齢
  • 宗教・文化
  • 働き方・家庭状況

など、社会全体の多様性を取り扱った啓発キャンペーン期間として位置づけられています。

国際レズビアンデー(10月8日)

国際レズビアンデー/International Lesbian Day

国際レズビアンデー/International Lesbian Dayは、レズビアンの存在・文化・歴史・権利を認識し、祝う日。

4月26日の「レズビアン可視化の日」はレズビアンの「可視化」に特化した日ですが、こちらの国際レズビアンデーはレズビアンの「祝福」と「可視化」の両方を目的としています。

国際ガールズ・デー、国際カミングアウト・デー(10月11日)

国際ガールズ・デー/International Day of the Girl Childとは、女子(18歳未満)が直面する人権課題に焦点を当てる国際デー。

女子の教育支援、早すぎる結婚・妊娠への問題提起など、「将来の女性」ではなく、今この瞬間に権利主体であることを確認する日として位置づけられています。

また同日の国際カミングアウトデー/National Coming Out Dayは、LGBTQ+の人が、自分の性的指向や性自認について「語る/語らない」という選択を尊重する日です。

アセクシュアル啓発週間/ACE WEEK(10月23日〜29日)

アセクシュアル啓発週間/ACE WEEK

アセクシュアル啓発週間/ACE WEEKは、アセクシュアル(無性愛)やアロマンティック(恋愛的惹かれを感じにくい/感じない)への理解を深める週間です。

インターセックス啓発デー(10月26日)

インターセックス啓発デー/Intersex Awareness Dayは、インターセックスの人の存在と人権について知り、考える日です。

インターセックスとは、生まれつき染色体・ホルモン・性腺・外性器などが、典型的な「男性/女性」の定義に当てはまらない身体的特徴を持つ人のこと。

インターセックスの人の中には、本人が意思表示できない幼少期に「男/女に合わせるため」の手術や治療が行われてきたケースがあります。

結果として、身体的・心理的なトラウマや自己決定権の侵害といった問題が起こっています。インターセックス啓発デーは、この構造そのものを問い直す日です。

2026年11月|ジェンダー規範と命・尊厳を考える国際デー

  • 11月19日(木):国際男性デー
  • 11月20日(金):トランスジェンダー追悼の日

国際男性デー(11月19日)

国際男性デー/International Men's Day

国際男性デー/International Men’s Dayは、男性や男子が直面する社会的・健康的・心理的課題に光を当てる日です。

国際男性デーでは、男性のメンタルヘルス(自殺率の高さなど)に加えて、「男らしくあるべき」とされてきたマスキュリニティが重圧となるケースにも目が向けられています。

そのほか、弱さを見せられない、助けを求められないといった「トクシック・マスキュリニティ 」など、男性の生きづらさを社会構造の視点から考える日とされています。

トランスジェンダー追悼の日(11月20日)

トランスジェンダー追悼の日/Transgender Day of Remembranceは、トランスジェンダーの人々が、差別や憎悪によって命を奪われてきた現実を記憶し、追悼する日です。

1998年、アメリカで起きたトランス女性リタ・ヘスター殺害事件をきっかけに始まりました。

この日、世界ではキャンドル・ビジル(追悼集会)や、殺害された人の名前・年齢・国名の読み上げなどが行われています。

2026年12月|人権週間と多様性の総点検

  • 12月4日(金)〜10日(木):人権週間

人権週間(12月4日〜10日)

人権週間とは、日本で実施されている 公式な人権啓発週間です。12月10日の世界人権デーを含めた1週間の期間に設定されています。

女性や子ども、LGBTQ+、障害のある人など、特定の属性に限らず、「日本社会で起きている人権課題」全般が対象となっています。

同性婚訴訟の行方|2026年中の注目トピック

現在の日本では、同性同士の結婚は法的に認められていません。これに対し、「同性婚を認めない制度は憲法に違反している」として、2019年から全国5つの地方裁判所で訴訟が起こされています。

同性婚訴訟についてより詳しい情報を知る

2026年は、この同性婚訴訟について最高裁の判断が示される可能性が高いと見られている年です。同性婚が日本で認められるかどうかに大きく関わる節目として、多くの人がその動向を注視しています。

人権・多様性への取り組みを、計画的に進めるために

本記事ではLGBTQ+関連を中心に紹介しましたが、ほかにも以下の国際デーなどが予定されています。

  • 4月28日:世界労働安全衛生デー
  • 6月20日:世界難民の日
  • 8月9日:世界先住民族の国際デー
  • 10月1日:国際高齢者デー
  • 10月7日:世界ディーセント・ワーク・デー
  • 10月10日:世界メンタルヘルスデー
  • 11月20日:世界こどもの日(児童の権利条約)
  • 12月18日:国際移民デー

企業として、人権や多様性に関わるイベントや国際デーが、年間を通してどのタイミングで行われているのかを把握しておくことは重要です。

すぐに取り組むのももちろん大切ですが、国際デーや啓発期間に合わせて自社の方針や姿勢を示すことで、より多くの社員に意義が伝わりやすくなります。

とはいえ、「何から始めればいいのかわからない」「自社に合った進め方が見えない」と感じている企業担当者の方も多いかもしれません。

アカルクでは、社内研修や制度設計の支援などを通じて、多様なバックグラウンドを持つ社員が安心して働き続けられる環境づくりをサポートしています。

人権・DEIへの取り組みを、自社の状況に合わせて無理なく進めたいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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執筆者:佐藤ひより

大手メーカーの海外営業職を経験後、2018年にライターとして独立。フリーランスとして多様な価値観や働き方に触れる中で、「一人ひとりが自分らしく生きられる社会」に関心を持つように。現在は、キャリア・ビジネス・ライフスタイル分野を中心とした記事制作に携わっています。