- 「従業員が長く働き続けられる職場にしたい」
- 「働きやすい環境をつくるには、何から始めればいい?」
このような悩みを抱える企業担当者の方もいるのではないでしょうか。
働き方の見直しや福利厚生の充実など、働きやすい職場づくりに取り組んでいても、必ずしも従業員の満足度向上や定着につながるとは限りません。
大切なのは、制度を整えるだけで終わらせないこと。従業員一人ひとりの声を捉えながら、多様な価値観やバックグラウンドを尊重できる環境として、実際の職場に根付かせていくことが不可欠です。
そこで本記事では、働きやすい職場に共通する特徴や企業にとってのメリット、誰もが安心して働ける環境をつくるための具体的な取り組みを紹介します。
「自社の職場環境を改善したい」「従業員が安心して能力を発揮できる組織をつくりたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
働きやすい職場とは
- ✓働きやすい職場とは、従業員が安心して働き、それぞれの能力を十分に発揮できる環境が整っている職場のこと
<働きやすい職場の例>
- 良好な人間関係が築かれている
- 適切な評価を受けられる
- 休暇を取得しやすい
- 柔軟な働き方ができる など
「働きやすい職場とは、従業員が安心して働き、それぞれの能力を十分に発揮できる環境が整っている職場」を指すことが多いです。
ただし、何を「働きやすい」と感じるかは、すべての従業員に共通しているわけではありません。
たとえば、子育てや介護と仕事を両立している従業員にとっては、時短勤務やテレワークなど柔軟な働き方ができることが重要かもしれません。
また、LGBTQ+当事者にとっては、自身の性のあり方によって不利益を受けることなく、安心して働ける環境が求められます。
働きやすさの基準は、従業員のライフステージや価値観、バックグラウンドなどによっても異なる点に留意してください
働きやすい職場に共通する7つの特徴
働きやすい職場には、人間関係や制度、職場環境などにいくつかの共通する特徴があります。
ここでは、以下の代表的な7つの特徴を紹介します。
- 良好な人間関係が築かれている
- コミュニケーションが取りやすい
- 公平な評価制度が整っている
- 柔軟な働き方ができる
- 福利厚生や休暇制度が充実している
- 心理的安全性が高い
- 多様な価値観やバックグラウンドが尊重されている
1. 良好な人間関係が築かれている
上司や同僚がお互いを尊重し、困ったときに助け合える関係が築かれていれば、従業員も安心して仕事に取り組めます。
立場に関係なく相手を尊重する風土があることが、働きやすい職場の特徴です。
2. コミュニケーションが取りやすい
業務上の認識のずれやトラブルを防ぐためには、日頃からコミュニケーションを取れていることが不可欠です。
定期的な1on1やミーティングなど、従業員が意見を伝えられる機会を設けることも有効です。
3. 公平な評価制度が整っている
評価基準が曖昧だったり、上司によって評価が大きく異なったりすると、従業員の不満につながりかねません。
評価基準やプロセスを明確にし、従業員が納得できる仕組みを整えましょう。
4. 柔軟な働き方ができる
テレワークやフレックスタイム、時短勤務など、状況に合わせて働き方を選択できることも特徴の一つです。
柔軟な働き方ができれば、子育てや介護、通院などと仕事を両立しやすくなり、さまざまな事情を抱える従業員が働き続けやすくなります。
5. 福利厚生や休暇制度が充実している
有給休暇や育児・介護休業などを取得しやすい環境があれば、従業員は仕事と私生活のバランスを取りやすくなります。
制度があるだけでなく、周囲に気兼ねなく利用できる職場風土も求められます。
6. 心理的安全性が高い
ミスや異なる意見を頭ごなしに否定される環境では、従業員が発言を控えるようになる可能性があります。
立場に関係なく意見を伝えられ、困ったときには助けを求められる環境は、心理的安全性の担保につながります。
7. 多様な価値観やバックグラウンドが尊重されている
働きやすさの基準は、すべての従業員で同じではありません。
- 性別
- 年齢
- 国籍
- 障害の有無
- 性的指向・性自認・性表現
- 家庭環境
- ライフステージ
これらによって、働くうえで抱える困りごとや必要な配慮は異なります。
たとえば、子育てや介護中の従業員には柔軟な勤務制度、障害のある従業員には一人ひとりの障害特性に応じた合理的配慮が必要になる場合があります。
外国人従業員であれば言語や文化の違い、LGBTQ+当事者であれば無意識の偏見やSOGIハラなどが働きにくさにつながることもあるでしょうか。
そのため、誰もが働きやすい職場をつくるには、「全員を同じように扱う」だけでは十分ではありません。
それぞれが置かれている状況や異なる価値観を理解し、必要に応じて環境や制度を整えることがポイントになります。
働きやすい職場をつくるメリット
働きやすい職場づくりは、従業員だけでなく、企業にとっても以下の通りさまざまなメリットがあります。
- 従業員の満足度・モチベーションが向上する
- 生産性・パフォーマンス向上につながる
- 離職率低下・人材定着につながる
- 採用力や企業イメージ向上につながる
まず、安心して働ける環境が整うことで、従業員の満足度が高まり、仕事へのモチベーション向上が期待できます。
業務に集中し、それぞれの能力を発揮しやすくなるため、生産性やパフォーマンスの向上にもつながるでしょう。
また、職場環境や人間関係、働き方などに対する不満が軽減されれば、離職率の低下や人材の定着にもつながります。
さらに、柔軟な働き方や多様な人材を受け入れる環境が整っていることは、求職者が企業を選ぶ際の判断材料の一つです。
働きやすい職場づくりに継続して取り組むことは、採用力や企業イメージの向上にも有効です。
誰もが働きやすい職場をつくるための取り組み
以下の通り、誰もが働きやすい職場をつくるために企業が取り組みたい6つのポイントを紹介します。
- 従業員の声を把握する
- 働き方や福利厚生を見直す
- 公平な評価制度を整える
- コミュニケーションを改善する
- ハラスメントから従業員を守る体制を整える
- DEIへの理解を深める
従業員の声を把握する
<活用できる施策>
・1on1
・個別面談
<働きやすい職場の例>
・従業員アンケート
・1on1
・個別面談
上記のような施策を活用することで、経営層や人事担当者からは見えにくい職場の課題を把握できます。
アンケートでは、単に「現在の職場は働きやすいですか」と尋ねるだけでなく、
- 「困ったときに上司や同僚へ相談できるか」
- 「休暇や制度を利用しやすいか」
- 「自分の意見を安心して伝えられるか」
など、具体的な項目を設定するのがおすすめです。
また、性別や年齢、役職、雇用形態などによって結果を分析すると、組織全体の平均値だけでは見えなかった課題が見つかることは少なくありません。
実際にアカルクが支援した企業でも、アンケートを実施したことで、それまで企業側が把握していなかった課題が明らかになった事例があります。
その企業では、それまでLGBTQ+に関する相談がなく、当事者もいないと考えられていました。
しかし、アンケートを実施したところ、当事者が「いない」のではなく、周囲に伝えにくい環境があることや、SOGIハラにあたる言動を見聞きした従業員が一定数いることがわかりました。
表面上は問題がないように見える職場でも、従業員の声を拾うことで、これまで見えていなかった働きにくさが明らかになる場合があります。
調査して終わりにせず、結果をもとに施策を実施し、定期的にアンケートなどを行って変化を確認する重要性がわかった事例だといえるでしょう。
働き方や福利厚生を見直す
<活用できる制度>
・フレックスタイム
・時短勤務
・育児・介護との両立支援
上記の制度など、選択肢を増やすことで、さまざまな事情を抱える従業員が働き続けやすくなります。すでに制度がある場合には、利用状況も確認しましょう。
また制度を見直す際には、既存の制度から利用対象が漏れている従業員がいないかという視点も必要です。
たとえばアカルクが支援した企業では、同性パートナーや事実婚の従業員もパートナーシップ制度を利用できるよう制度を見直したところ、導入した月に実際の申請がありました。
制度の対象を広げることは、これまで制度を利用できなかった従業員の働きやすさにつながる可能性があります。
公平な評価制度を整える
評価する人によって判断が大きく変わったり、成果とは関係のない属性や個人的な印象が評価に影響したりすると、従業員の不満につながります。
評価基準を明文化する、複数人で評価する、評価者向けの研修を実施するなど、公平性を高める仕組みを整えましょう。
コミュニケーションを改善する
定期的な1on1やミーティングなどを活用し、上司から部下へ一方的に情報を伝えるだけではなく、従業員側からも意見や困りごとを伝えられる機会を設けましょう。
特に重要なのは、意見を「聞く」だけで終わらせないことです。
寄せられた意見を職場改善に反映したり、対応できない場合にはその理由を説明したりすることで、従業員が安心して声を上げやすい環境につながります。
ハラスメントから従業員を守る体制を整える
誰もが安心して働ける職場は、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、SOGIハラなどから従業員を守る体制が整っています。
ハラスメントに関する社内方針を明確にしたうえで、相談窓口や相談後の対応フローを整備し、相談者のプライバシーが守られる仕組みを整えましょう。
相談窓口は設置するだけでなく、従業員が必要なときに利用できるよう、継続的に周知することも欠かせません。
社内研修やハラスメント防止に関する啓発施策などとあわせて、相談窓口の存在や利用方法を繰り返し伝え、相談しやすい環境づくりにつなげましょう。
アカルクが支援した企業では、ハラスメント月間に研修やワークショップを実施したところ、その月に相談窓口へ2件の相談が寄せられました。
相談窓口を設けるだけでなく、研修や啓発活動とあわせて存在を周知することが、従業員が声を上げるきっかけになることもあります。
また、注意したいのが、ハラスメントは社内だけで発生するとは限らないことです。
2026年10月1日から改正労働施策総合推進法が施行
2026年10月1日から、カスタマーハラスメント対策を事業主に義務付ける改正労働施策総合推進法が施行されることが決定しました。
顧客や取引先などからの著しい迷惑行為に対しても、企業として従業員を守るための対応が求められます。
たとえば、顧客や取引先から従業員に対して、性的指向や性自認に関する侮辱的な発言などが行われるケースも考えられます。
こうした社外からのSOGIハラについても、「顧客だから仕方がない」と従業員個人に対応を任せるのではなく、組織として相談・対応できる体制を整えましょう。
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DEIへの理解を深める
職場にはさまざまな背景を持つ人がいるため、同じ対応がすべての人にとって公平とは限りません。
また、無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)が、知らないうちに判断や言動へ影響することもあります。
たとえば、次のようなケースです。
- 「子育て中だから重要な仕事は任せないほうがいい」と本人の希望を確認せず判断する
- 「男性なら彼女がいるだろう」など、性のあり方を決めつけて会話する
- 本人の同意なく性的指向・性自認を第三者に伝える
こうした偏見や思い込みに気づくためにも、DEIやアンコンシャス・バイアス、LGBTQ+などについて学ぶ研修を実施し、多様な従業員が安心して働ける職場風土をつくっていくことがより一層必要になってきます。
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誰もが安心して働ける職場をつくるために
働きやすい職場は、制度を整えるだけでなく、従業員の声を把握し、それぞれが抱える働きにくさに目を向けながら、職場環境を継続的に改善していくことでつくられます。
特に、性別や年齢、国籍、障害の有無、性的指向・性自認などにかかわらず、一人ひとりが安心して働ける環境をつくるには、DEIへの理解を深め、組織全体で職場風土を変えていかなければいけません。
アカルクでは、LGBTQ+やDEI、アンコンシャス・バイアスなどに関する研修をはじめ、企業の課題に合わせた職場づくりを支援しています。
「誰もが安心して働ける職場をつくりたい」「自社の取り組みをどこから始めればよいかわからない」という企業のご担当者さまは、ぜひお気軽にご相談ください。






