株式会社アカルクは2025年5月20日、サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岩屋孝彦、以下「サノフィ」)を含む複数の製薬会社を中心に構成される『LGBTQ+の医療における要望書タスクフォース』の一員として、弊社代表の堀川が同席し、内閣府および厚生労働省へ「LGBT理解増進法に基づく基本計画」に関する要望書を提出しました。
この要望書では、LGBT理解増進法に基づく基本計画において、医療にかかわる課題を主要な議題の一つとして位置づけ基本計画で必要な施策を講じていただくことを目的としています。
■要望書の内容
提出した要望書の内容は以下の3点です。
- LGBTQ+当事者が受診しやすい環境の整備
- 同性パートナーを含めた、患者本人が信頼する人が家族として認められるための施策の推進
- LGBTQ+当事者の健康格差、医療アクセス改善に向けた調査・研究の強化
■提出の背景
現在、LGBTQ+の当事者層の割合は9.7%(*1)であると言われています。
決して少なくない数のLGBTQ+当事者が存在する中、2023年6月には「LGBT理解増進法」が成立され、社会における多様なセクシュアリティや性自認を受け入れ、理解する動きが進んでいる一方で、いまだ解決されないさまざまな課題が残されており、当事者たちを取り巻く環境は安易なものではありません。
そのような現状は医療機関においても同様であり、認定NPO法人ReBitの「LGBTQ医療福祉調査2023」(有効回答数961人)によれば、医療関係者にセクシュアリティについて安心して話せないLGBTQ当事者は81.3%、過去10年に医療サービス等を利用した際に、LGBTQ当事者の66.1%、特にトランスジェンダー男性・女性は77.8%が、セクシュアリティに関連した困難を経験したことがあると回答(*2)しています。
また、サノフィの「医療における信頼:健康の公平性に関するレポート」(日本の有効回答数2,533人)(*3)においては、LGBTQ+当事者の55%が「医療提供者への信頼を失うような医療経験をしたことがある」、50%が「医療制度全般への信頼を失うような医療経験をしたことがある」と回答したのに対し、全体ではそれぞれ43%、37%となっており、LGBTQ+当事者は、非当事者よりも医療提供者および医療制度に対する信頼を失う経験が多いことが分かっています。
上記の内容からも、LGBTQ+当事者が安心して受診し適切な治療が受けられるよう、日本における医療機関の環境整備を進めることは急務です。
また多様な価値観を受け入れ、患者と医療者が協力しながらより良い医療をつくり上げていくことが、LGBTQ+当事者のみならず、多様なバックグラウンドを持つ誰にとっても安心できるインクルーシブな医療環境の実現につながると考え、今回の要望書の提出(*4)に至りました。
■参考情報
*1 電通 「LGBTQ+調査2023」https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/pdf-cms/2023046-1019.pdf [2025.02.20 アクセス]
*2 認定NPO法人ReBit 「LGBTQ医療福祉調査2023」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000047512.html [2025.02.20 アクセス]
*3 サノフィ「健康の公平性に関するレポート」 健康の公平性に関するレポート [2025.02.20 アクセス]
*4 サノフィプレスリリース https://www.sanofi.co.jp/assets/dot-jp/pressreleases/2025/250520.pdf [2025.05.23 アクセス]