まちづくりにおけるD&IをE&Jの視点から推進!企業の垣根を超えたコミュニティ作りとは?

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「大丸有SDGs ACT5」とは?

堀川:ACT5とは何ですか?

佐川:正式名称は「大丸有SDGs ACT5」と言います。
働く街として発展してきた大手町、丸の内、有楽町エリアを起点に、様々な企業・団体と一緒にアクションを展開し、街ぐるみで2030年のSDGsの達成に向けて取り組む活動です。

「ACT5」では5つのアクションのテーマを掲げています。

堀川:ACT5の中でACT4の「ダイバーシティ&インクルージョン」(以下D&I) を取り扱うことになった背景はなんですか?

佐川:社会一般としても取り組むべきテーマであるとともに、企業として、これから継続的に活動していくために必要不可欠なテーマであると考えています。
また、「働く場」として考えた時もテーマとして相応しいと想い選定されました。

堀川: D&I 推進を社内の取り組みだけで完結する企業も多いですが、ACT5では「街」全体で取り組まれていますね。
なぜ「街」でD&I を進められることになったのですか?

佐川:現状、D&I に関しては各企業で課題を抱えていて、正解もなく一社ではなかなか難しいテーマでもあります。
そのような現状を踏まえ、企業が個別に取り組むだけではなく「街」全体でD&I に取り組むことで、一社だけでは取り組めなかったことも、複数の会社で取り組めば、リソースやノウハウも共有しあえることができると考えています。

街でのD&I 活動内容とその効果

堀川:実際にこれまではどのような取り組みをやってこられましたか?

天野:弊社自体が街づくりの会社であるため、街全体でD&I を進めていこうと、「街のD&I 研修」を行いました。
スタートとして、LGBTQ研修やユニバーサルマナー研修などの知識として学ぶセミナーを開催しました。

すると、参加申込者数が大変多く、反響が大きかったことで、ニーズがあることを知りました。
各会社でそれぞれ研修を行うのは大変ですが、街全体でこのような場があると参加しやすいのだと改めて感じました。

堀川:一社だけではなく様々な方と交流できる場を作られたことでどのような効果がありましたか?

天野:今年4年目となる活動を継続する中で、各企業のD&I 担当者の方々と顔の見える関係を築けるようになりました。
エリア内外からもたくさんの企業の方に参加していただき、企業の方々がそれぞれの状況や課題を情報共有できる場所として少しずつ機能しています。

堀川:知識として学ぶセミナーのような知る機会以外ではどんな取り組みをされていますか?

天野:さらに取り組みの意義を深めるために、街のD&I 推進状況を把握しようとアカルクさんの協力を得て調査を行いました。その結果、D&I 推進には当事者との交流を求める声が多く、また企業担当者はリソース・ノウハウ不足に悩んでいる現状が明らかになりました。

そこで、街単位でのコミュニティをつくることで、当事者や企業の枠を越えてみんなでD&I について取り組んで行こうという動きになりました。

堀川:他社でもアライコミュニティを作る動きは広まってきていますが、中々本質をついた取り組みができなかったり、社員を巻き込めていないという声も聞きます。

ACT5の取り組みはまさに目指したいコミコニティの姿になっているようにも思いますがなにかその秘訣はありますか?

天野:D&I のコミュニティを作るために私たちは「E& J(Enjoy& Join) 」というコンセプトで、堅苦しくなく、誰でも楽しみながら参加できるようにしています。
本取り組みはまだ発展途上ですが、活動する中で、E&Jのコンセプトを面白いと賛同いただける個人や企業担当者の方が徐々に増えてきています。

ただ、このような活動は、「すぐに成果がでる」というものではないと思うので、多様な方々と対話を重ねながら地道に活動を継続していくことが大切だと感じています。

堀川:継続が大事なのですね。
コミュニティを作っていくなかで苦戦したことや課題と感じていることはありますか?

佐川:イベントを重ねていくうちに熱心にご参加いただく方々もいますが、それ以外のあまり関心のない層にどうやってアプローチするのか?という点に一番苦労しています。
普段馴染みのない方にも楽しく参加いただけるよう「E&J」のコンセプトで様々な企画を工夫しています。

 

アカルクを選んだ理由

堀川:なるほど。
そうした葛藤や取り組みを試行錯誤しながら重ねていかれることで徐々に形になってきたのですね。
なぜアカルクをこの取り組みのパートナーに選ばれたのですか?

佐川: D&I に関する専門知識や経験を持っておられ、多種多様な業界へのネットワークもお待ちなので大変頼りにしております。

天野:アカルクさんは様々な企業の立場をご存じです。
私たちは最初から明確に「これがやりたい!」といったものがあった訳ではなく、手探り状態で進めてきました。
その中で、同じ目線で考えて一緒に考えて作っていただけているところが一番の理由です。

社内での変化

堀川:お二人が所属されているサステナビリティ推進部 の活動は社内ではどのような変化をもたらしていますか?

天野:本取り組みについてより社内での認知度を上げていきたいと考えていますが、ダイバーシティに限らず サステナビリティに関心を持つ社員が徐々に増えてい ると感じています。
社内制度を利用し、毎年多くの社員がACTS事務局のサボー トに応募してくれています。

堀川:手を挙げる方々はどのような経緯で参画される のですか?

佐川:本人の興昧から手を挙げる方が多いです。
「社会課題が気になっているけれど、一人ではできない、こういうチャンスがあるならやってみたい」との声を聞きます。

天野:会社の制度*として評価の一つに位置付けられてことや、新しいことに柔軟にチャレンジできる社内環境も背景にあると思います。
*10%ルール…ビジネスモデル革新やイノベーション創出を目的とし、業務時間の10%以上を通常業務以外の活動にあてることを必須化する制度

今後の展望

堀川: ACT5が目指す最終ゴールは何ですか?

天野:「D&I」とあえて言わなくても、自然に、当たり前 のように多様な人が生き生きと働ける場・街になることが最終ゴールです。
これに少しでも近づけるように今後も取り組んで行きたいと思います。

堀川:”あえて言わずとも”というメッセージがキーですね。
まさに多様な人が過ごせる場や街を作るために今後何か企画されていることはありますか?

天野:まさに今年の11月に大きなD&I イベントを予定しております。
フェスを二日間予定しており、「働く」をテーマにしたパ レードも企画しております。
これから私たちが目指すべ き「働く」をD&I の視点で考えていくイベントにしたいと思っています。

お二人の原動力は?

堀川:お二人のその自発的なモチベーションはどこからくるのでしょうか?

佐川:環境からです。
会社の制度・風土が新しいことにチャレンジできるよ うに変化していて、自分が形にしようと思ったことが、 実現できる機会があります。
また、世の中の流れで、どこ でも働けるようになったことや働くことへの様々な支援など様々な流れが後押ししてくれているおかげで私たちがやっていることもやれる!と実感します。
そんな環境があることがモチベーションになっています。

天野:イベントで携わる方々から刺激を受けて一緒に作り上げていく、という点が一番の原動力です。
ダイバーシティは永遠のテーマであるものの、なかなか変わらないというジレンマもあります。
その中でも、「新しい」・「面白い」という視点から、新しい風を作れたらと思っています。

堀川:最後になりますがお二人にとってダイバーシティとはなんですか?

天野:人が自分らしく生きられる社会というシンプル なものです。
しかし、シンプルなもののそれが難しい……。
ダイバーシティは人によって捉え方が違いますが、それぞれが思う「ダイバーシティ」をお互い話し合って受け入れる状態が大切だと思います。

佐川:自分らしくいれること、色んな在り方があって良 いとお互い尊重し合えることです。
どうしても便宜上、 カテゴリーで呼んでしまうことがありますが、究極、一人 一人違うので、そこが当たり前になると良いと思います。

対談者紹介

佐川素子
三菱地所株式会社
サステナビリティ推進部プロモーションユニット主事

天野友貴
三菱地所株式会社
サステナビリティ推進部プロモーションユニット主幹

堀川歩
株式会社アカルク代表取締役社長
LGBTQをはじめとする多様な人が働きやすい職場環境作りを行い、全国各地で年闇100本以上研修や講演を行っている。

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