全ての人々に感動を Happinessプロジェクトからみるダイバーシティ

株式会社ベストブライダル様は、ゲストハウスウエディングのパイオニアとして、結婚式場の運営をはじめ、 レストランや宿泊などのサービスも提供しています。 LGBTQ+に中長期的に取り組まれているベストブライダル様の実態とその背景、想いを取材させていただきました。

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Happinessプロジェクト

堀川:Happinessプロジェクトとは何ですか?

石井:ベストブライダルでは、結婚式を通して、これまでも多様なお客様と向き合っておもてなししてまいりました。
その中でお客様からだけでなく、私たちからも何か新しい接客・おもてなしができないかと思ったのがきっかけです。
より多様なお客様にご満足いただけるために、障害のある方やLGBTQ+の方、様々な年齢や国籍の方の視点に立ってサービス内容を改めて考えていく取り組みです。

堀川:プロジェクトはどんなメンバーで結成されているのですか?

石井:手を挙げた社員が社歴に関係なく自発的に参加しています。実は社歴に関係なく参画できるプロジェクトを運営するのは初めての試みです。手を挙げる社員の特徴としては、身近に当事者の友人がいるなど、本人らがLGBTQ+に関して経験がある者が多いです。採用の段階でも入社したらHappinessプロジェクトに携わりたいという応募者もいらっしゃいます。

取り組みを行うことになったキッカケ

堀川:LGBTQ+について取り組まれることになった背景は何ですか?

石井:これまでも多様なお客様と接してきました。その中で、ノウハウを持っていないとできないことがあると思いました。
LGBTQ+は「結婚式」とも密接に関わるものです。LGBTQ+の方々に対して環境を用意したい、理解を深
めたいという想いがあります。また、多くのお客様に安心して使っていただきたい、私たち自身もノウハウがある
ことで自信をもってお客様をおもてなししたいと思ったことが取り組みの背景です。

対談当日、チャペルに虹色の光が差し込む

具体的な取り組みとその変化

堀川:実際にどのような取り組みを行っていますか?

石井:社内で行っていたものでは、お客様にご利用いただく申込用紙の男性 / 女性の表記をなくしました。
社員の理解を深めるためにユニバーサルマナー研修を定期的に行っています。また、ベストブライダルのスタンダードとして、アカルクさんと共同でサービスガイドブックの策定をしています。その他にもプロジェクトメンバーを中心としたイベントの開催、商品開発を行っております。

具体的には、現在ではSNSでLGBTQ+のカップル対象の「Happinessカップルフォトキャンペーン」を行っております (2023年 8月時点 )。また、今後に向けては、秋のレインボーフェスタの出展を控えています。

堀川:結婚式場以外のレストランや宿泊サービスにおいても何か取り組まれていますか?

石井:プライド月間時に行った「フラワーマルシェ」やドリンクの提供があります。7色のロスフラワー、破棄される予定のお花をリメイクし、いつもよりもリーズナブルにお客様に届けました。
レストランでは、LGBTQ+に取り組む私たちの意思表示の一つとして「レインボーカラードリンク」を提供しました。
視覚的なものではありますが、これをきっかけにお客様の話題性につなげられればと思っています。

堀川:取り組みをされるなかで社内の中で変わってきたことはありますか?

石井:変化を感じる場面がたくさんあります。社内でHappinesプロジェクト対象のお客様がいらっしゃった時
に現場では「Happinessプロジェクトのお客様だね」という言葉が飛び交っているのをみて、ベストブライダル
として取り扱っているプロジェクトがスタッフに浸透していることを強く感じます。

また、プロジェクトによって当事者の方々への寄り添った案内ができるということ自体がスタッフ自身のモチベーションにつながっています。プロジェクトメンバーではないプランナーのエピソードなのですが、弊社で聴覚障害者のお客様をおもてなしする際、半年間かけてプランナー自身が手話を習得し、入場の説明など当日のアテンドをすべて手話で説明していました。
プロジェクトメンバーではないプランナーでもお客様のために何ができるかを深く考えて行動し、真に寄り添った案内ができていて私自身も感動しました。

堀川:それは素晴らしい取り組みですね!まさに多様なお客様に寄り添った姿勢でありサービスですね。

アカルクと共に伴走する理由

堀川:これだけ素晴らしい取り組みをされている中でなぜアカルクをパートナー企業に選んでいただいたのでしょうか?

石井:私たちがお客様に届けたい想いがマッチしていると感じたからです。私たちは一緒にプロジェクトを作っていくメンバーをすごく大事にしています。社内でも手を挙げたスタッフと一緒に作っていきますし、アカルクさんは実績だけでなく、堀川さんの人柄や真摯な姿勢に惹かれ、なによりなんでも相談できる存在であることも大きかったです。

人を大切にする風土

堀川:お話を伺っていると、「人」を大切にしている会社だと強く印象を受けます。それは社風なのでしょうか?

石井:手を挙げたことややりたいと思ったことは積極的にやらせてもらえる会社だと感じています。若手スタッフからも発言を促す・聞く場がたくさんあります。また「心に灼きつくプロのおもてなしで 、 、人々が集うシーンをプロデュースする」が弊社の企業理念です。こういったところから、お客様が何を求めているのかを問い、おもてなしをする心構えがスタッフ全体に浸透しています。

今後の展望Happinessプロジェクトが目指すもの

堀川:Happinessプロジェクトの最終ゴールは何ですか?

石井:年齢、国籍、セクシュアリティ関係なく、全ての方々が安心して利用できる、かつ大満足しておかえりいただ
ける施設にしていくことが最終ゴールです。

堀川:安心だけではなく大満足というところが大事なのですね。素敵ですね。
御社にとってダイバーシティとはどんなものですか?

石井:マイノリティの方々を全て受け入れて、“感動を分かち合える” 場所をつくっていきたいというのが私たちの思うダイバーシティです。プロジェクトを始めて、これまで対応できていなかった方々の喜んでいる姿をみることができました。それは本来、私たちがやりたかったことであり、使っていただきたかったお客様を満足させることができたことです。
今までは、環境が整っていなかったり、知識が不足していたりした面がありましたが、そのような部分をなくしていき、どなた様にも安心して利用できる環境をつくっていきたいです。

堀川:“感動を分かち合える” 素晴らしいキーワードですね。ありがとうございます。石井さん、個人としてのダイバーシティとはどんなものですか?

石井:多様なお客様をおもてなしする中で、マイノリティの方々にも喜んでいただきたいと使命感を持っています。もし、世の中にそれを可能とする場が少ないのならば、その場を作っていくのが私たちの役目だと思っています。誰しもが不自由なく生きれる場所をつくっていきたいです。

ブライダル業界として目指したい世界

堀川:ブライダル業界として今後変わっていってほしいと思う部分はありますか?

石井:現状、他社とコラボレーションする機会が少ないですが、ダイバーシティを他社も含めて手をとり合って
やっていきたいと思っています。その体制を整えられるのが理想ですね。

堀川:なるほど。その上で今後、新しくやっていきたいことはありますか?

石井:ウエディングドレスやタキシードといったファッションの多様性に力をいれていきたいです。
おもてなしももちろん大切ですが、弊社スタッフに接しないとわからないという弱点があります。アイテムがあると「見てわかる多様性」になって、多様なお客様にもっと気軽に足を運んでいただけるようになるのではと考えています。

堀川:貴重なお話をありがとうございました。

 

対談者紹介

石井 拓也

株式会社ベストブライダル
青山セントグレース大聖堂 支配人

2013年に入社後、ウエディングプロデューサーとして約500組の結婚式プロデュースを手掛ける。
現在は支配人として式場の管理・運営を担う他、Happinessプロジェクトチームの代表メンバーとして活動。

堀川 歩

株式会社アカルク
代表取締役社長

LGBTQをはじめとする多様な人が働きやすい職場環境作りを行い、
全国各地で年間100本以上研修や講演を行っている。

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