近年、企業のダイバーシティ推進が重要視されるなかで、LGBTQ+施策を行う最初の施策として研修を導入する企業も増えています。LGBTQ+当事者が安心して働ける環境を整えることは、企業のブランド価値向上や採用力強化にもつながります。
しかし、最初の対象者や適切な時間を含めて、どのような研修を導入すればよいのかわからない、逆に毎年社内で研修は実施しているものの少しマンネリ化している等の悩みがある企業様もいるのではないでしょうか。

本記事では、LGBTQ+研修の目的や導入の流れ、研修選びのポイントについて解説します。企業が適切な研修を実施し、インクルーシブな職場を築くためのヒントを提供します。

 

LGBTQ+研修導入の流れ

企業がLGBTQ+研修を導入する際には、段階的なプロセスを踏むことが重要です。以下では、よくある研修導入の流れを紹介します。

 

現状の課題を明確化する

まず、社内のLGBTQ+に関する理解度や職場環境、社内制度の現状を確認します。これにより、企業が抱える課題を把握し、具体的な改善点を明確にすることができます。
LGBTQ+当事者が直面する問題を把握することで、実効性のある研修の設計が可能になります。

 

研修の目的を設定

研修を実施する際には、まず明確な目的を設定することが重要です。何のためにどのタイミングや対象に対して研修を行うのかを決めたうえで実施することで、より高い効果が望まれます。
例えば、以下のような目標がよく挙げられます。

  • LGBTQ+の基礎知識や相談時の対応を全社員で学びたいため
  • 人事部や管理職に実務、マネジメントや実務面からも対応できるようにしておきたいため
  • DEI推進の一環としてLGBTQ+の研修も導入したいため
  • PRIDE月間やPRIDE指標に合わせた施策を行いたいため
  • 社内でアライ(Ally)の輪を増やしたいため
  • 数年前に研修を実施してから何もできていないためフォローアップしたいため
  • イベント出展するにあたり、現場スタッフが適切な言葉遣いや出展背景を理解してもらいたいため
  • 昨今の社会情勢や当事者のリアルな声を聞いて考える場にしたいため

このように目的を明確にすることで、研修の効果を最大限に引き出すことができます。

 

適切な研修形式の選択

企業の状況に応じて、最適な研修形式を選択することが重要です。
それぞれの形式には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

■オンライン

オンライン研修は場所の制約を受けずに受講できる利点がありますが、直接の対話やグループワークが制限されるため、コミュニケーション面では対面より限られる場合があります。

  • メリット:場所の制限がなく、どこからでも参加できる。アーカイブ配信でも受講することが可能
  • デメリット:直接の対話が制限されため、複数で会話がしづらい

■オフライン

オフライン研修では、参加者同士の意見交換や実践的なワークショップを通じて学びを深めることができますが、会場の調整や移動コストがかかる点が課題となります。

  • メリット:対面での質疑応答やディスカッション、実践的なワークショップが活発になりやすい
    ※特に実施後の交流会や食事など他施策と繋げてコミュニケーション施策につなげやすい
  • デメリット:会場調整や移動コストが掛かり、参加率が下がる傾向がある

■ハイブリッド

ハイブリット研修は両方の良さを取り入れることができます。そのため、参加者が自分にあった参加スタイルを選ぶことができるので全体の参加率は高まりやすいです。
一方、運営側の負担と選択できることで、オンラインでの参加率が高まる傾向があります。

  • メリット:参加者が自分のスタイルに合わせて受講できるので、全体の参加率はあがりやすい
  • デメリット:運営側の準備負担はあがり、一部研修のワークもオンラインとオフラインで分ける必要がある。
    また、会場参加を中心にしたい場合、事前にオンラインの参加定義を決めておかないと会場参加が下がる可能性がある。

 

研修計画を立てる

研修を効果的に進めるためには、事前に計画を立てることが不可欠です。以下の要素を整理し、計画を具体化します。

  • 研修の開催時期や日時
  • 研修対象者の層や人数決め
  • 研修実施場所の決定
  • 研修内容の決定
  • 研修講師の調整
  • 研修に必要な教材や資料の準備
  • 研修の進行スケジュールの策定
  • アンケート取得の可否
  • 広報発信の可否

 

LGBTQ+研修を導入する際の課題

LGBTQ+研修を導入する企業は増えているものの、実施に際してはさまざまな課題が発生することがあります。
ここでは、代表的な課題とその解決策を紹介します。

 

料金の課題

LGBTQ+研修は、社員数や時間、講師によって費用が異なるケースが見受けられます。
場合によっては新規コンテンツなのか、パッケージコンテンツかでも変動があるケースもあるので、気になる団体、法人、個人講師にはまず問い合わせてみるようにしましょう。

 

コンテンツ内容の幅

社員全員に基礎知識を提供することは重要ですが、特定の階層や職種に特化した内容を深堀りすることも求められます。
研修内容が多様なニーズに対応できるかを事前に確認し、必要に応じてカスタマイズすることでより対象者にあった学びを得ることができます。

 

LGBTQ+研修の選び方

LGBTQ+研修を導入する際には、いくつかのポイントを押さえることで、より効果的な研修を実施できます。

 

講師の専門性

LGBTQ+に関する知識が豊富な講師が担当するかどうかは、研修の質を左右する重要なポイントです。
特に、知識や最新情報、データ、具体的事例は企業研修では求められることが多い情報になりますが、講師は当事者講師がいいのか、専門性があればいいのか、アライや相談された人側の声が知りたいのかによっても変わるため、目的からどのような講師が自社に合っているのかを考えてみましょう。

 

アフターフォロー

研修後のフォロー体制も重要です。受講者の理解度チェックやアンケートの取得、社内の制度状況の周知など、学んだだけで終わらないようにすることがより満足度の高い次につながる研修になりやすいです。

 

アカルクの研修

アカルクのLGBTQ+研修の特徴は、
「実務的な具体事例」「人事領域での専門性」「当事者講師」になります。
最新情報や基礎知識、数値データはもちろんのこと、実際に相談された際の各職種や役職の人はどのように対応すればいいのか、企業が中長期的に取り組む具体的なアクション事例などを業界ごと、各職種ごとに企業風土に合わせたコンテンツを提供することが可能です。

既に400社以上の企業に研修を実施してきましたが、受講者の皆様からは以下のようなお声をいただきました。

  • 具体的な事例が豊富だったのでとてもイメージしやすかったです。今後の現場での対応や施策について人事担当者としても考えさせられました。
  • 研修を通じて当事者のおかれている現状や心理状況を学び、今までは自分の周りにはいないしあまり関係ないと思っていましたが、そうではない事に気づきました。LGBTQ+の人だからではなく自分と違う人のことを知り、思いやることの大切さを実感しました。
  • 講師自身の体験談を交えた説明が心に残りました。
  • 身近にLGBTQ+当事者がいるかもしれないという意識を持ち、周囲の人と向き合う姿勢を持つようになりました。
  • 数年前にもLGBTQ+研修を聞いたことがありましたが、単に知識としての学びだけではなく、管理職としてマネジメントやコミュニケーションの観点からもなぜ必要なのか再考する研修となりました。
  • 研修をキッカケに社内でアライコミニュティを立ち上げることになりました。

アカルクの研修では、企業がLGBTQ+に関する取り組みをより効果的に推進するための実践的なサポートを提供します。特に研修に関しては、全国各地で年間100本以上行っており、満足度98%と非常に高いリピート率を誇ります。
研修の目的設定から各社の状況や社風に応じた実施方法の提案も行いますので、興味のある企業様はまずはお問合せ下さい。

 

まとめ

LGBTQ+研修の導入は、職場の多様性を尊重し、全ての社員が安心して働ける環境を整えるために重要な取り組みです。自社の課題やニーズに合った研修を選び、持続的な取り組みを行うことで、ダイバーシティ推進がより効果的に進みます。

株式会社アカルクは、ダイバーシティ推進のための取り組みをはじめ、LGBTQ+の方がどのようなことに配慮が必要なのか、多様性を意識したコーチングから、入社後のガイドラインの策定、制度構築、運用を一気通貫で行う人事コンサルティング、キャリア支援といったプロデュース事業を展開しています。

LGBTQ+に対応する研修に関して一度話を聞いてみたいと思われるご担当者様はまずはお問い合わせください。

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